会計区分とは?―事業・拠点・サービスの3つの視点

社会福祉法人の会計には、一般企業とは異なる特徴的な考え方があり、その一つが「会計区分」です。

この記事では、「会計区分とは何か?」について、社会福祉法人の経理が初心者の方にもわかりやすく解説します。

 会計区分とは?

社会福祉法人では、1つの法人が複数の施設(特別養護老人ホーム、保育園、障がい者支援施設など)を運営していることが一般的です。そのため、「どの事業が」「どこで」「何のために」お金を使ったのかを明確にする必要があります。

この考え方を具現化したものが「会計区分」であり、以下の3つの視点で区分されます。

  1. 事業区分
  2. 拠点区分
  3. サービス区分

会計区分の3種類

1.事業区分:法人内の会計単位

最も大きな単位が「事業区分」です。社会福祉法人では以下の3つに分類されます。

この区分は、財務諸表の作成や行政報告の基本単位となります。

<事業区分><内容・具体例>
社会福祉事業   介護、保育、障がい福祉など、法律で定められた本来の福祉事業
公益事業任意で行える福祉関連事業(地域交流、配食サービスなど)
収益事業本来事業以外の営利的活動(研修事業、物販、施設貸出など)

2.拠点区分:施設ごとの管理単位

次に、施設ごとに収支を分けて管理するのが「拠点区分」です。例えば、以下のように区分されます。

この区分によって「どの施設が赤字か?」「どこに改善が必要か?」といった運営状況を明確に把握できます。

<拠点名><所在地・内容>
特別養護老人ホーム○○苑大阪市○○区、定員80名
保育園△△こども園京都市△△区、定員100名の認定こども園
障がい者グループホーム□□荘神戸市□□区、定員4名の共同生活援助施設

3.サービス区分:提供サービスごとの管理

1つの拠点内で複数のサービスを提供している場合、それぞれのサービス単位で収支を管理するのが「サービス区分」です。

この区分により、採算性や効率性の分析がより具体的に行えるようになります。

<拠点名><サービス内容>
特養○○苑入所介護、ショートステイ、デイサービス
△△こども園幼保連携型認定こども園、一時預かり保育

なぜ会計区分が必要なのか?

会計区分には、以下のような目的があります。

  • 収支状況を明確にすることで、赤字施設の特定や改善策の立案が可能になります。
  • 補助金を受けている事業が多く、透明性が特に重要であることから、行政や第三者への説明責任を果たす必要があります。
  • 区分ごとの利益・資金の把握が運営計画に直結し、内部留保や社会福祉充実計画の適正な管理を行うことができます。

まとめ

会計区分は一見複雑に思えるかもしれませんが、実は「見える化」への第一歩です。この会計区分を理解・活用することで、正確な会計処理だけでなく、法人運営の透明性や信頼性の向上にもつながりますので、しっかりとした会計入力・決算書開示に努めるようにしましょう!